- 所 在 恩納村恩納(那覇空港から1時間30分)
- 水 深 -5m~-50m
- 風 向 き 南東~東
- 透 明 度 ~20m
- 難 易 度 中上級者向け
- ト イ レ なし
- シャワー なし
- エントリー ビーチ(岩場)
- 見 所 ワイド、マクロ、地形
- 陸の方向 110~120度
ポイント情報
恩納村恩納にある「ホ―シュー」は、「万座毛」の近くにあるダイビングポイントです。その昔米軍ダイバーが馬蹄の形に見える岩があることからホースシューズ→ホーシューと名付けたとか。全く米軍の開拓精神は恐ろしいものです。ワイドからマクロまで楽しめるとても人気のあるポイントですが、本島ビーチではトップクラスにエントリーが険しいポイントです。セッティングしてから徒歩で10分、最後には岩場を軽くロッククライミング。石灰岩地形で足場も悪いので、ある程度経験を積んでから行かないと痛い目に合います。エントリー後は浅いリーフが少し続き、リーフエッジからは-40mまで沈むドロップがあります。途中で休める場所も少ないので中性浮力が取れるようになってから行くのが良いです。時に激流になるポイントでもあるので中上級者向けのポイントになります。満潮時は荒れやすいので、最初は干潮を狙って行くのが良いと思います。
しかしそれでもたくさんのダイバーがエントリーしたがるには相応の理由があります。最初にも書きましたが、ホ―シューはワイドからマクロまで何でもあり。ワイドはイソマグロやカスミアジ、さらにはカマストガリザメまで。目撃はホ―シュー北付近が多いですが、たまにホ―シューまで泳いできます。さらに過去にはマンタやニタリ、ジンベイザメの目撃情報もあります。一転マクロになると一年中ウミウシパラダイスで、他にもピグミーシーホースやアケボノハゼなど多くのレアな生き物たちに会えます。しかしレアな生き物は深場に多いので写真撮影は常に時間との戦いです。
万座毛周辺は「沖縄海岸国定区域」に指定されています。近年はゴミ問題、動植物の保護、緊急時の対応問題があり、ホ―シュー付近を立入禁止にしようとする動きもあります。海の生き物と同じくらい陸の動植物も大事にしていただき、いつまでもダイビングを楽しめるようにマナーを守っての利用をお願いします。
駐車場
以前は万座毛の駐車場から車で柵の中の東屋まで入れたのですが、現在は途中で通行止めになっています。そのためウドゥイガマや恩納ポイント同様、農道の端に停めることになります。この農道も地元の方の生活道路ですので、縦列駐車で、セッティングも縦に並んで行いましょう。
注意事項
- ポイ捨て禁止。帰るときは来た時よりも美しく!!
- 陸の動植物も愛でましょう。
- エントリーまでが長いです。特有の石灰岩地形は慎重に進みましょう。エントリー、エグジットはロッククライミングです。
- 時に激流になります。
- 中層移動は必須です。
- 荒れやすいポイントです。潜っている30分の間にも海況が変わることはよくあります。
- 深いポイントですので残圧、潜水時間には常に注意が必要です。
ルート案①(トンネル~ウミウシ)
- 南側のブイの辺りからドロップを降りていきます。しかしたまにダイビング船が止まっていることがあるので注意が必要です。
- -15m辺りから開いているトンネルは小さな広場まで続いています。ここのトンネルは2段構造のなっており、最初は下のトンネルを通ります。上のトンネルは最後に通ります。下のトンネルを通った後、出口には大きな根があり、そこにもウミウシがたくさん付いています。
- 広場の壁にはウミウシがたくさん。ここで探し回るのもよし、さらに移動して壁を探すのも良し。「世界のウミウシ図鑑」を見ていると70種以上のウミウシとその仲間たちがいます。
- 出っ張っている根をグルっと回って、最初に通ったトンネルの上にある-10mからのトンネルを通ると出口は水深-5m。安全停止が出来る水深です。ここのトンネルはアカマツカサが圧巻で、下から見た出口の景色もハート型と、まさに映える撮影スポットです。出口でもハナヤサイサンゴにキンギョハナダイの幼魚が住み、すごく癒されます。
- 安全停止はリーフの上で出来ます。サンゴがたくさん、カラフルな魚たちも一緒に居ます。まったり窒素を抜きながらフォトを楽しめます。エグジットは軽くロッククライミングしながらになります。陸のルートはぼんやり茶色のペンキで塗られていますのでしっかり把握しておきましょう。
ルート案②(ハゼコース)
- 南側のブイの辺りからドロップ沿いに潜降し、さらに南側に「ホーシュー岩」があるのでそこを目指して進みます。根のトップでも-15mになります。
- 根の中腹-30m付近には立派なイソバナがあり、そこには「ピグミーシーホース」が住んでいます。しかしハゼを見に行く途中に立ち寄るには深すぎます。ピンポイントで狙うのであればまだしも、ハゼとの両立は難易度が高いです。
- ホ―シュー岩を過ぎたあたりのガレ場にはレアなハゼが住んでいます。中でも「アケボノハゼ」はこのポイントの名物です。生息域は40mオーバー。これも探すにしては時間が足りません。何度も行って少しづつ広げる必要があります。ちなみに一昔前にはヘルフリッチ(シコンハタタテハゼ)の目撃情報もありましたが今はいないようです。
- 深場には長く居すぎないように注意しながら徐々に水深を上げていきます。ホ―シュー岩をグルっと周ると、壁にもウミウシがついているので楽しいです。最後は2段になっているトンネルの上側を通って安停のできる水深へ。
- 安全停止はリーフの上で出来ます。サンゴがたくさん、カラフルな魚たちも一緒に居ます。まったり窒素を抜きながらフォトを楽しめます。エグジットは軽くロッククライミングしながらになります。陸のルートはぼんやり茶色のペンキで塗られていますのでしっかり把握しておきましょう。
見れる生き物
カマストガリザメ、カスミアジ、イソマグロ、アケボノハゼ、スジクロユリハゼ、ハタタテハゼ、アオウミガメ、クマノミ、アカマツカサ、ツバメウオ、ピグミーシーホース、ホシゾラワラエビ、カエルアンコウ、ゾウゲイロウミウシなど各種ウミウシ、他
ウミガメ情報
ウミガメ遭遇率は低めです。隣接するウドゥイガマやアポガマは遭遇率が高いだけに、あまり見ないのが不思議です。サメがいるからでしょうか。
コメント
沖縄のセルフダイブの登竜門。ある程度経験を積んだ後でも初めて潜るときはドキドキすること間違いなしです。ホ―シューが潜れるとなった日にはセルフダイバーはこぞって集結します。ウミウシ、サメ、ハゼだけでも十分楽しめるのですが、ここのポテンシャルはもっともっとすごいです。昨年は(2020年)オナガザメの仲間である「ニタリ」が出現。さらには2021年に入ってからはマンタも目撃されています。さらにさらに過去にはジンベイザメの目撃情報も。いずれも私の潜り仲間が実際に見ているのですが・・・羨ましすぎます!!そんな時に限って潜っていないなんて・・・。ともかくこんなに大物が集まるビーチポイントはほかにはありません。エントリーはしんどいですが、それでもダイバーを寄せ付ける魅力がたっぷりです。
そんなホ―シューですが、最近はこの近辺のエリアを立ち入り禁止にしようという動きがあります。理由はゴミ問題、動植物の保護、緊急時に対応が難しいといったことです。ゴミ、動植物の保護は理解していただけるとは思いますが、緊急時の対応というのは実際に現地を知る方にしかイメージしにくいことだと思います。以前はホ―シューのエントリー近くまで車で葉入れたのですが、新たに万座毛の駐車場が出来てから東屋の近くまでの道が通行止めになりました。そのため仮に事故があったとしても、救急車がすぐ近くまで入ってこれずに、救助に時間がかかるという問題があります。実際現在の駐車場からエントリーポイントまでは、5分は歩かないといけません。さらにエントリー場所は、最後はロッククライミング。ノンダイバーから見て、「何故そこまでしてそんなところで潜るの?」という疑問を持たれてもおかしくない場所ではあるのです。しかし先にも言った通り、ホ―シューは本当に素晴らしいポイントなのです。これからもダイバーに愛され、安全に楽しく潜っていけるように、どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。
過去ログ集
以下「ホ―シュー北」含む