ハタタテハゼ
ミツボシクロスズメダイ
ハナゴンべ
ネムリブカ
ニシキツバメガイ
【沖縄本島南部】大度浜海岸(水路)
- 所 在 糸満市大度(那覇空港から30分)
- 水 深 5~25m
- 風 向 き 北西~北
- 透 明 度 10~20m
- 難 易 度 中上級者から
- ト イ レ 有り(無料25台・有料)
- シャワー 有り(有料)
- エントリー ビーチ
- 見 所 地形(アーチ、ドロップ)
- 陸の方向 355~360度
ポイント紹介
その昔ジョン万次郎が上陸したことから「ジョン万次郎ビーチ(ジョン万ビーチ)」とも呼ばれる大度浜海岸は、リーフの中は多様なサンゴとカラフルな魚たちを楽しむことができ、リーフの外は壮大な地形が広がっています。夏は観光客がリーフ内で海水浴を楽しみ、季節を問わず満潮にはサーファーが集まる場所でもあります。今回は特にリーフの外側についてご紹介します。
南部だと一番潜られているであろう地形ポイント。駐車場が完備され、東屋もあるので器材のセッティング、水面休憩には困りませんが、難点はエントリーポイントまでの長い道のり。潜降場所までの水面移動も長く、スキューバを楽しむ前にかなり体力を削られるポイントです。さらにこの大度浜海岸の水路はタイミングが悪いと強烈なリーフカレントが発生します。しかしそれらの苦難を乗り越えてでも見るに値する地形が広がっています。至る所にアーチがあり、ここを潜ろうか、あっちを潜ろうか。何度でも違うコース取りが出来るので飽きることはありません。さらにこのポイントは沖縄本島では最大級の「ハマサンゴ」があります。U.F.O.のような形をしていることから「U.F.O.岩」とも呼ばれますが、最近は崩れていきつつあります。何万年とかけてできた造形ですからいつまでも残っておいてほしいものです。
さてこのポイントは中上級者向けと書きましたが、中性浮力は必須です。慣れるまでは迷路のような地形に迷子になることも多いです。リーフカレントも含めこのポイントは知っておいた方が良いことがたくさんありますので存分に紹介したいと思います。ちなみに実際に潜ると水中マップ以上に複雑な地形が広がっています。それでもキーになる部分は描いているつもりなので少しは参考になるかと思います。
駐車場
駐車場は大度浜海岸のすぐそばに2つあります。1つは25台ほど駐車できる無料の駐車場で、もう1つは有料で1回300円必要です。夏は観光客でほぼ満車になります。また満潮の時間帯はサーファーも集まるので、無料駐車場は季節を問わず満車になります。
注意事項
- リーフの外はたいてい波が立っています。ベタなコンディションの時はほぼないと思ってください。
- 水路はリーフカレント多発地帯です。
- 似たような地形が並ぶので迷子にならないようにナビゲーションはしっかりしましょう。
- エントリーまで足場は悪いです。砂地では足をとられ、岩場ではコケが滑り、サンゴ礁はトゲトゲしています。
- 満潮前後2時間ほどはサーファーも集まります。
- 干潮になると水路付近で釣りをする人もいます。釣られないように注意しましょう。
リーフカレントに関しては以下の記事も一緒にどうぞ↓↓
ルート案
- 水路を抜けてドロップまで来たところで潜降。潜降場所よりも西側に「ピサの斜塔」や「U.F.O岩」があるとイメージしてください。クレバスのようになっている地形の間を縫うように、壁に沿って東へ泳いでいきます。途中小さなにトンネルがありますが、結構狭いので通る場合は引っかからないように注意してください。ちなみにトンネルを抜けた先は縦穴になっているのですが、そこは入り口が3か所あるので狭い場所を通らなくても到達できます。
- 壁沿いを縫うように泳いでいると広い砂地に出ます。この時点で-20mほど。広場へ出たら今度は砂地を横目に地形に沿って西へ泳ぎます。右手に壁がある状態です。すると小さなキノコのような岩が見つかるはず。これが見つかればすぐ近くに、先の縦穴へ通じる入り口があります。キノコ岩まで来たらU.F.O岩は目の前です。
- 徐々に全貌があらわになるハマサンゴに驚嘆すること間違いなし。ハマサンゴの下は過去にネムリブカの目撃情報もあります。まあ地形ポイントなのでどこで休んでいても特に驚きはしません。U.F.O岩はハマサンゴのトップで-15mほどです。周りを見ると徐々に崩れつつある様子が見てとれます。
- カクレクマノミも-15mほどに暮らしています。説明が難しいですが、ハマサンゴから少し沖に見える根へ向かって泳いでみるとバッタリ遭遇したりするかもしれません。
- カクレの後はまたしても地形の間を縫っていきます。うまくいけばクレバスの隙間を通っていけますので探してみて下さい。行き止まりなら引き返せばよいだけです。
- 一通り楽しんだら陸の方向へ向かいます。ドロップ沿いもよく観察してみると丸い穴があったり、クレバスの入り口があったりします。
- 「ピサの斜塔」と「クマノミマンション」は一目瞭然です。丁度水深も-5mほどなので楽しみながら安全停止が出来ます。後は360度真北に向かえばおおよそOK。慣れるまでは途中で顔を出して場所を確認した方が確実ですね。特に干潮の時は釣り人がいる場合もあります。逆に干潮の時は水路の場所が分からなくなります。海況がよろしければ長い水面移動になりますが、大度浜海岸であれば全然許容範囲です。
見れる生き物
アオウミガメ、ネムリブカ、マダラトビエイ、カクレクマノミ、ハマクマノミ、カマスの群れ、アオギハゼ、ブッシュドノエルウミウシなど
ウミガメ情報
大度浜海岸アウトリーフでのウミガメ遭遇率は高め。潜降後地形の中を楽しんでいる時に出会うことは少ないですが、広く泳いでいるとかなりの確率で出会います。個人的には水路からプール側へ回ってみると遭遇率高めです。
コメント
大度浜海岸の地形は、地形をヒントに場所を把握する良い練習になります。小さなものでも特徴をとらえて覚える練習をしていれば、ほかの地形ポイントに行ったときでも大いに役に立ちます。で、ここでのナビゲーションのコツですが、私はいつもU.F.O岩を起点に考えます。自分がU.F.O岩の東西どちらにいるかを考えておくと、地形を楽しんだ後におおよそ地形に沿ってU.F.O岩に向かえばあとはそこから「ピサの斜塔」に向かうだけです。
地形もまだまだ未開拓の部分が多数あります。アーチ・トンネル・洞窟・縦穴。探せばなんでも見つかるはずです。私も気になっている場所がたくさん。こんなに手軽に冒険心を満たせる場所はなかなかありません。なにか面白い地形があれば是非とも教えてください!!もっと水中マップの精度を高めていきたいと思っています。
最後に沖出しについて。私も何度か沖出ししていますが、これと言って大きな発見はありません。途中でカメに会ったり、マダラトビエイに会ったり。その反面地形に大きな変化があるわけでもなく、珍しい生き物がいるわけでもなく、ハナゴイがめちゃくちゃ群れているわけでもなく。それなら潜降後の地形を隅々まで探検する方が個人的には楽しいです。1つ沖出しする際の注意点を書いておくと、絶対にコンパスをセットしておくこと。いや、言うまでもなく普通のことなのですが、大度浜海岸の水路側は案外水深の変化が少ないうえに、砂地に大きな根がいくつかあるだけで地形の変化も乏しく、リップルマークも大して使えないので頼りになるのはコンパスしかありません。この時に体内のコンパスもしっかり保っておかないと疑心暗鬼になり、かなり不安になります。大度浜海岸は海況によってはエグジット場所も限られますので特に注意が必要です。
過去ログ集
【沖縄本島中部】恩納ポイント
リーフカレント
目次
・リーフカレントについて
・リーフカレントの原理
・リーフカレントの判断
①地形の確認
②白波の確認
③潮汐の確認
・リーフカレントの対処法
・リーフカレント注意先
①大度浜海岸 ②恩納ポイント ③備瀬崎
・まとめ
リーフカレントについて
「リーフカレント」はサンゴ礁域で発生する流れのこと。「離岸流」の一種であり、岸から沖に向かって強い流れが発生します。リーフカレントが発生する場所はおおよそ決まっており、予めその発生を予測することが出来ます。流れは強いものから弱いものまで様々ですが、1つ言えるのは、決して侮ってはいけないということ。毎年リーフカレントに巻き込まれる事故が発生しています。正しい知識を身に付けて安全に海を楽しみましょう。
よく似た言葉で「リップカレント」がありますが、こちらは砂浜などの海岸線で発生します。なお発生条件や対処法はリーフカレントの場合と相違はありません。
リーフカレントの原理
リーフカレントはサンゴや岩などで形成された「狭水路(リーフギャップ)」と呼ばれる場所で起こります。1番多いパターンが干潮向かいで潮が引く時に狭水路を通り発生するリーフカレントです。詳しくは下図をご覧ください。
満潮に向かう時にリーフの中に海水が入ってきます。この時点ではまだリーフカレントは発生しません。
それが一転、干潮向かいになると海水はリーフの中から出ていきます。この時に狭水路(リーフギャップ)があると、流れがその一か所に収束し強い流れになります。これが「リーフカレント」です。
しかし注意しないといけないのが、リーフカレントのすべてがこのパターンに当てはまるわけではないということです。例えば満潮向かいにリーフに入った水がそのまま狭水路から流れ出る場合もリーフカレントは発生します。この時、リーフの外の波が高くリーフ内への海水の流入量が多いとかなり強い流れとなることもあります。また、狭水路は(リーフギャップ)確認できなくても海底の一部がくぼんでいる、リーフに切れ目がある場所でもリーフカレントは発生します。
リーフカレントの判断
リーフカレントは一定の条件がそろえばどこにでも発生します。しかしある程度は予測できるものなので予測のコツをお伝えします。
①地形の確認
1番判断材料は地形です。大小問わず狭水路(リーフギャップ)や割れ目はないかをしっかり確認します。これは航空写真からも見ることが出来ます。またリーフカレントの発生する場所はおおよそ決まっているのでそちらも確認しておくと良いですね。海上保安庁が情報を出してくれていますので参考にしてください。
②白波の確認
リーフにうねりが当たって白波が立っている時に、しばしば一部分だけ全く波のない場所があります。そういった場所は狭水路や地形の割れ目になっている場合が多く、リーフカレントが発生している可能性があります。波がないところからエントリーするのは場合によっては避けた方が良いということですね。
③潮汐の確認
潮汐とは潮の干満のこと。特に干潮向かいの潮が引くときはリーフカレントが発生しやすい時間帯なので注意が必要です。よくリーフカレントが発生する場所では、干潮向かいになる前にダイビングを楽しむ、数か所エグジット場所を確認しておく等対策しておきましょう。
リーフカレントの対処法
以上で書いてきたようにリーフカレントは偶発的に発しするものではなく、ある程度は予測できるものです。それでも巻き込まれる可能性はゼロではありません。ここではリーフカレントの対処法をご紹介します。
①流れに垂直に泳いで脱出
1番基本の脱出方法です。リーフカレント自体、幅はそこまでありませんので流れに対して垂直(流れを横切るよう)に泳げば脱出できます。
②流れが弱い時は流れに逆らって脱出
流れが弱い場合は頑張って泳ぐことで抜け出すことも出来ます。ただしこの場合時間の経過とともに流れが強くなる可能性があるので注意が必要です。
③浅い時は歩いて脱出
流れがあっても浅い時は歩いて脱出すると体力も温存できます。柔軟に対応しましょう。
④流されるところまで流されてから戻ってくる
これは最終手段です。どうにもこうにもならない場合はウエイトを捨てて流れに身を任せ、救助を待つか、流れが途切れたところで岸に向かいます。一体どこまで流されるか分からないうえに、別の流れにつかまる可能性もあります。
リーフカレント注意先
沖縄ではダイビングポイントでありながらリーフカレントに注意が必要な場所ががいくつかありますので紹介します。
1.大度浜海岸
リーフカレントと言えばこのポイント。航空写真ではっきりと水路があるのが分かります。その昔船、を通すために切り取られたそうな。満潮向かいでも干潮向かいでもリーフカレントの発生するポイントで、特に大潮の干潮向かいの流れは強烈です。ある程度潮が引いていればリーフを歩いてエントリー・エグジットが可能です。
2.恩納ポイント
エントリー場所が水路になっており、干潮向かいではリーフカレントが発生します。毎年夏には事故が発生する場所でもあります。スキューバの場合、コース取りがしやすく、サンゴも傷つけずに済むのでこの水路から潜降することが多いですが、干潮向かいの時間帯に潜るのであれば注意が必要です。
3.備瀬崎
備瀬崎は小島との間に水路があります。潮がある程度満ちている状態だと、干潮向かいでも満潮向かいでもリーフカレントは発生します。シュノーケルのポイントとしてガイドブックにも紹介されていますが時間帯を選んで遊ぶ必要があります。
まとめ
沖縄でダイビングを楽しむうえでリーフカレントの知識は絶対に必要です。発生場所はあらかじめ予想出来るほか、冷静に対処すればそこまで恐れるものでもありません。過信は禁物ですが、慣れてくると逆に流れを利用することもできます。リーフカレントによる事故の場合でも、明らかに海況が悪い時に発生しているものが多いので、予防の第一歩は無理をしないことにあります。正しい知識と正しい対処法を持って海を楽しむようにしましょう!!