リーフカレント


目次

リーフカレントについて
リーフカレントの原理
リーフカレントの判断
 ①地形の確認
 ②白波の確認
 ③潮汐の確認
リーフカレントの対処法
リーフカレント注意先
 ①大度浜海岸 ②恩納ポイント ③備瀬崎
まとめ

リーフカレントについて

 「リーフカレント」はサンゴ礁域で発生する流れのこと。「離岸流」の一種であり、岸から沖に向かって強い流れが発生します。リーフカレントが発生する場所はおおよそ決まっており、予めその発生を予測することが出来ます。流れは強いものから弱いものまで様々ですが、1つ言えるのは、決して侮ってはいけないということ。毎年リーフカレントに巻き込まれる事故が発生しています。正しい知識を身に付けて安全に海を楽しみましょう。
 よく似た言葉で「リップカレント」がありますが、こちらは砂浜などの海岸線で発生します。なお発生条件や対処法はリーフカレントの場合と相違はありません。

リーフカレントの原理

 リーフカレントはサンゴや岩などで形成された「狭水路(リーフギャップ)」と呼ばれる場所で起こります。1番多いパターンが干潮向かいで潮が引く時に狭水路を通り発生するリーフカレントです。詳しくは下図をご覧ください。

リーフカレント満潮向かい
リーフカレント満潮向かい

 満潮に向かう時にリーフの中に海水が入ってきます。この時点ではまだリーフカレントは発生しません。

リーフカレント干潮向かい
リーフカレント干潮向かい

 それが一転、干潮向かいになると海水はリーフの中から出ていきます。この時に狭水路(リーフギャップ)があると、流れがその一か所に収束し強い流れになります。これが「リーフカレント」です。

 しかし注意しないといけないのが、リーフカレントのすべてがこのパターンに当てはまるわけではないということです。例えば満潮向かいにリーフに入った水がそのまま狭水路から流れ出る場合もリーフカレントは発生します。この時、リーフの外の波が高くリーフ内への海水の流入量が多いとかなり強い流れとなることもあります。また、狭水路は(リーフギャップ)確認できなくても海底の一部がくぼんでいる、リーフに切れ目がある場所でもリーフカレントは発生します。

リーフカレントの判断

 リーフカレントは一定の条件がそろえばどこにでも発生します。しかしある程度は予測できるものなので予測のコツをお伝えします。

①地形の確認

 1番判断材料は地形です。大小問わず狭水路(リーフギャップ)や割れ目はないかをしっかり確認します。これは航空写真からも見ることが出来ます。またリーフカレントの発生する場所はおおよそ決まっているのでそちらも確認しておくと良いですね。海上保安庁が情報を出してくれていますので参考にしてください。

②白波の確認

 リーフにうねりが当たって白波が立っている時に、しばしば一部分だけ全く波のない場所があります。そういった場所は狭水路や地形の割れ目になっている場合が多く、リーフカレントが発生している可能性があります。波がないところからエントリーするのは場合によっては避けた方が良いということですね。

③潮汐の確認

 潮汐とは潮の干満のこと。特に干潮向かいの潮が引くときはリーフカレントが発生しやすい時間帯なので注意が必要です。よくリーフカレントが発生する場所では、干潮向かいになる前にダイビングを楽しむ、数か所エグジット場所を確認しておく等対策しておきましょう。

リーフカレントの対処法

 以上で書いてきたようにリーフカレントは偶発的に発しするものではなく、ある程度は予測できるものです。それでも巻き込まれる可能性はゼロではありません。ここではリーフカレントの対処法をご紹介します。

リーフカレントの対処法
リーフカレントの対処法

①流れに垂直に泳いで脱出

 1番基本の脱出方法です。リーフカレント自体、幅はそこまでありませんので流れに対して垂直(流れを横切るよう)に泳げば脱出できます。


②流れが弱い時は流れに逆らって脱出

 流れが弱い場合は頑張って泳ぐことで抜け出すことも出来ます。ただしこの場合時間の経過とともに流れが強くなる可能性があるので注意が必要です。


③浅い時は歩いて脱出

 流れがあっても浅い時は歩いて脱出すると体力も温存できます。柔軟に対応しましょう。


④流されるところまで流されてから戻ってくる

 これは最終手段です。どうにもこうにもならない場合はウエイトを捨てて流れに身を任せ、救助を待つか、流れが途切れたところで岸に向かいます。一体どこまで流されるか分からないうえに、別の流れにつかまる可能性もあります。

リーフカレント注意先

 沖縄ではダイビングポイントでありながらリーフカレントに注意が必要な場所ががいくつかありますので紹介します。

1.大度浜海岸

 リーフカレントと言えばこのポイント。航空写真ではっきりと水路があるのが分かります。その昔船、を通すために切り取られたそうな。満潮向かいでも干潮向かいでもリーフカレントの発生するポイントで、特に大潮の干潮向かいの流れは強烈です。ある程度潮が引いていればリーフを歩いてエントリー・エグジットが可能です。

2.恩納ポイント

 エントリー場所が水路になっており、干潮向かいではリーフカレントが発生します。毎年夏には事故が発生する場所でもあります。スキューバの場合、コース取りがしやすく、サンゴも傷つけずに済むのでこの水路から潜降することが多いですが、干潮向かいの時間帯に潜るのであれば注意が必要です。

3.備瀬崎

 備瀬崎は小島との間に水路があります。潮がある程度満ちている状態だと、干潮向かいでも満潮向かいでもリーフカレントは発生します。シュノーケルのポイントとしてガイドブックにも紹介されていますが時間帯を選んで遊ぶ必要があります。

まとめ

 沖縄でダイビングを楽しむうえでリーフカレントの知識は絶対に必要です。発生場所はあらかじめ予想出来るほか、冷静に対処すればそこまで恐れるものでもありません。過信は禁物ですが、慣れてくると逆に流れを利用することもできます。リーフカレントによる事故の場合でも、明らかに海況が悪い時に発生しているものが多いので、予防の第一歩は無理をしないことにあります。正しい知識と正しい対処法を持って海を楽しむようにしましょう!!


“リーフカレント” への2件の返信

コメントを残す