第3回 セルフダイビングの表と裏
第2回 セルフダイビングのスキル
第1回 セルフダイビング
沖縄ダイビングシーズナリティ
沖縄のダイビングシールについてまとめました。ダイバー目線で、月別、生き物別でそれぞれ書いています。沖縄訪問の際の参考になれば嬉しいです。
月別シーズナリティ
3月
冬が明け、3月の後半には海開きが始まります。水温はまだまだ冷たいですが、日中の気温は20度を超える日も出てきます。北風の日、朝晩は冷えますので何か羽織れるものを持っていると対応できます。まだ3月と言えど紫外線は侮れません。この時点で北海道の7月と同等の紫外線量があります。(北海道の紫外線量は7月がピーク。)
二月風廻り(ニンガチカジマーイ)と呼ばれる短周期で風向きが変わる現象が起きます。この時期のダイビングは特に風向きに注意していないと、入っている数十分のうちに海況が激変するということもあります。ダイビングポイントはまだレッドビーチや名護湾などの北風のポイントが多いです。マクロもまだシーズン中。地形ポイントもこのあたりになると太陽が出る日も多いので綺麗に映ります。クジラの歌声も3月いっぱいは聞こえてきます。ウェットスーツは5㎜+フードベストがあれば十分対応できます。
4月
春も本番。沖縄の桜は2月に咲きますが、その代わり綺麗な海が一面に広がっています。暖かい日は半袖半パンでも問題ないぐらい暖かくなりますが、朝晩は冷えることがあるので薄めの羽織があれば無難です。紫外線は言わずもがな。1時間水着で泳いで皮膚科送りになった友人もいるとかいないとか。
この辺りからは南風の日も少しずつ混じってきます。ダイビングポイントはその日の風向きで決めることが多くなりますが、南部の地形ポイントはいけない日が多くなります。ウェットスーツは5㎜があれば十分対応できます。
5月
ゴールデンウィークが明けた辺りで沖縄は一足早く梅雨入りします。例年梅雨の時期は6月下旬まで続きます。急な雨やスコールもあるので折り畳み傘は必須です。気温も上がってゆき蒸し暑い日が続きます。
ダイビングポイントはまだ風が安定しないので日ごとに変わりますが、5月も後半になると南風の日が多くなり、真栄田岬や万座毛周辺などの夏のポイントに行ける確率も高くなります。ウェットスーツは5㎜があれば十分対応できます。
6月
梅雨が明けると夏本番。この辺りからは半袖半パンでも問題ありません。ただ、紫外線は本当に強いので対策が必要です。この時点で8月の東京と同じ紫外線量になります。(東京の紫外線量は8月ピーク。)
ダイビングポイントはほとんどが真栄田岬や万座毛周辺の南風のポイントに。残波岬や備瀬崎といった大物ポイントも行ける日が多くなります。しかし梅雨の影響で土砂降りがあったり、連日雨が続いていると透明度が落ちることもあります。ウェットスーツは3㎜でも潜れるようになってきます。
7月
いよいよ夏本番です。梅雨が明けカラッと冴えわたる空と海の青さは格別です。7月も半袖半パンで問題ありませんがやはり紫外線対策は必須です。台風もまだ少ないですが、世間の夏休みとも被るので飛行機やホテルの料金は徐々に高くなっていきます。
ダイビングポイントは南風の夏のポイントが中心になります。マクロはほとんど消えていますが、まだ台風も少ない時期なので計画も立てやすいです。ウェットスーツは3㎜で十分対応できます。
8月
ハイシーズン。とにかく陽射しの強い日が続きますが、沖縄の夏を一番実感できるのは8月です。半袖半パン、島草履で沖縄の町を闊歩しましょう。もちろん紫外線はお忘れなく。一年で一番紫外線量が増えるのが8月です。台風も増えてくるのでタイミングが悪いと足止めを食らいます。
ダイビングポイントはまだまだ夏のポイント。1年で最も水温が高くなる時期で、水中でも少しぬるいと感じるぐらいです。ウェットスーツは3㎜から対応できます。
9月
気温はまだまだ夏ですが後半になると北風の日も増えてきます。と言ってもまだまだ気温は高いので北風が涼しく感じる程度。半袖半パンで問題ありませんが紫外線はまだまだ強いので対策が必要です。台風が一番多接近するのは9月です。
ダイビングポイントはまだ真栄田岬や万座毛周辺の夏のポイントが中心です。しかし10月に入ると飽きが近づくので残波岬や備瀬崎に行けるのは9月いっぱいまで。それ以降は行ける可能性はかなり低いです。ウェットスーツは3㎜で対応できます。
10月
気温も徐々に下がり始めます。ミーニシ(新しい北風)が吹き始め、次第に冬に向かっていきます。10月までは頻度こそ減りますが、台風がまだやってきます。偏西風の影響で沖縄の下を通っていくと風向きも北風の日が徐々に増えていきます。日中は暖かいですが、朝晩は冷えるようになります。薄めの羽織を持っておくと無難です。ここに来て紫外線量は沖縄の3月、北海道の7月と同等になります。
ダイビングポイントはレッドビーチや名護湾などの北風のポイントが多くなります。行ける可能性はまだ低いですが、太陽がまだ顔を出している時期なので南部の地形ポイントは綺麗に映ります。ウェットスーツはそろそろ5㎜が必要になってきます。
11月
気温こそ最高で24度まで上がりますが、北風が吹くと体感気温は低くなります。薄めの羽織よりかはパーカーを持っている方が安心です。台風シーズンも終わり、雨も少なく過ごしやすい日々が続きます。
ダイビングポイントはレッドビーチや名護湾などの北風のポイントがメインになり、ウミウシも出てきます。ウェットスーツは5㎜があれば安心です。
12月
沖縄の12月は気候的には秋です。本格的に北風が吹き始めると風速に驚く方もいると思います。基本長袖にパーカーで大丈夫ですが、時にグッと下がる時があるので、その時はインナーを充実させて対策しましょう。
ダイビングポイントはレッドビーチや名護湾などの北風のポイントがメインです。マクロも充実してくるのでそれを狙うダイバーが多く訪れます。ウェットスーツは5㎜があれば大丈夫ですが、フードベストがあると便利です。
1月
年が明けると沖縄も冬真っ盛り。1年で一番寒い月になります。強い北風が吹き、海も荒れた日が多くなります。羽織るものは風を通さないアウターがベストです。天気もすぐれない日が多くなりますが、おおよそこの時期に沖縄に来るダイバーはマクロ狙いなので問題ないかなと。南部の地形ポイントがハイシーズンを迎えますが、天気が微妙な日が多いので結局一番綺麗な時期は10月・11月・3月辺りです。1月ごろからクジラの歌声が聞こえてきます。冬の方が透明度が良いとよく言われますが、個人的にはそんなに変わらないんじゃないかという印象を持っています。夏のポイントは夏良いし、冬のポイントは冬良いです。ウェットスーツは5㎜+フードベストが必須です。
2月
まだまだ寒い沖縄ですが、1月下旬から2月の上旬にかけて一足早く桜が咲きます。相変わらず北風は強いので羽織るなら風を通さないものがおすすめです。沖縄の寒さは強い北風によるところが大きいです。
ダイビングポイントはレッドビーチや名護湾などの北風のポイントがメインです。まだまだウミウシなどのマクロが充実している時期ですが、水温が一番下がるのは2月なのでじっとしているめちゃくちゃ冷えます。陸でもボートコートを持っていないと耐えられま せん。クジラの歌声はまだまだ聞こえます。ウェットスーツは5㎜+フードベストが必須です
生き物別シーズナリティ
ギンガメアジ(粟国)
4月ごろから粟国島の「筆ん崎」というポイントに「ギンガメアジ」がやってきます。数千匹のギンガメアジが玉となり、そこにイソマグロやロウニンアジがアタックしてきます。ほかにもナポレオンフィッシュなどの大型回遊魚も見れるポイント。5~6月が最も遭遇率が高くなると言われています。大物はたくさん見れますが、流れが速いため中上級者向けのダイビングとなります。
マンタ(石垣島)
マンタと言えば石垣島!!石垣島周辺では年中マンタがいるのですが、海のコンディションや風向きの関係からシーズンは夏となっています。特に9月ごろはマンタの数が最盛期を迎え、多い時では10~20枚ものマンタが舞うそうです。西表島と小浜島の間にある「ヨナラ水道」も有名ですが、こちらは最大水深30m、ドリフトスタイルの中上級者向けのダイビングになります。
宮古島の地形
マンタと入れ替わりでやってくるのが宮古島。宮古島三大地形ポイントと呼ばれる「アントニオ・ガウディ」「通り池」「魔王の宮殿」は全て冬(北風)のポイントになります。しかし定番は冬なだけで夏は夏で楽しい地形ポイントもいくつかあります。
ハンマーヘッドシャーク(与那国島)
「海底遺跡」でも有名な与那国島は冬になると「ハンマーヘッドシャーク」の群れが現れます。沖縄と言えど真冬なので陸上での防寒対策はしっかりしないといけませんが、辺り一面のハンマーの群れに寒さなんてどうでもよくなること間違いなし。水深が70mあるような海の中層を泳ぐのである程度の経験が必要になります。
ザトウクジラ(本島周辺)
沖縄本島周辺では1月から3月いっぱいまで「ザトウクジラ」が現れます。この季節になると、潜っている途中でクジラの歌声が聞こえます。船に乗って「ホエールウォッチング」が出来ますが、最近はクジラと一緒に泳ぐ「ホエールスイム」も開催されています。会える確率もほぼ100%、出会えなければ全額返金している業者もあるぐらいです。海の中でクジラに会うのはダイバーの憧れですね!!
ウミガメの産卵
沖縄には「アオウミガメ」「アカウミガメ」「タイマイ」の3種類のウミガメが住んでいます。ウミガメ自体は年中会えますが、本島周辺だとアオウミガメが圧倒的に多いです。産卵のシーズンは5月~8月で沖縄本島の幅広いエリアで産卵が確認されています。
ジンベイザメ(読谷村)
読谷村は都屋漁港から出る船が「ジンベイザメ」の生簀ポイントへ案内しています。シュノーケル、スキューバの両方で年中会うことが出来ます。それが面倒な方は美ら海水族館へどうぞ。
サンゴの産卵
サンゴの産卵は種類によってシーズンが幅広いです。よくニュースになるのはミドリイシ系のサンゴで、5月中旬から6月の満月周辺で産卵があります。南の石垣島や宮古島のサンゴの方が早く産卵するので、その情報をチェックしていれば狙って見に行くことが出来ます。またサンゴの産卵ツアーを開催しているショップは毎年産卵の予想日程を出しているのでそれを参考にするのもありですね。
ウミウシ
夏になると海水温が28度にまで上がる沖縄は、ウミウシの数は圧倒的に冬が多いです。沖縄本島では名護湾、レッドビーチ、天願などがウミウシポイントとして有名です。陸は北風で寒くとも海の中は生き物で激熱になります。
【沖縄本島中部】砂辺UFO
- 所 在 北谷町宮城海岸(那覇空港から40分)
- 水 深 3~15m
- 風 向 き 東
- 透 明 度 10~20m
- ト イ レ 無し
- シャワー 無し
- エントリー ビーチ(階段)、ボート
- 見 所 人工物
- 陸の角度 70度くらい
ポイント情報
砂辺浄水場の目の前にあるポイントです。ここのポイントは何といっても「UFO」と「神殿」。海の中に人工物が沈んでいるのはとてもワクワクします。この2つは近くにある浄水場の施設。UFOは「排水口」、神殿は「給水口」です。どちらも今では生き物の住処となっており、UFOの周りではカマスの群れを見ることが出来ます。水深も深いUFOの方でも-13m前後とヘルシーなポイントです。それぞれの場所への生き方は後述します。
地形もドロップ地形が続くが、もう少し浄水場に寄らないと水深は取れないうえに、丸い根が行く手を遮るので少し迷いそうになります。離れ根は干潮になると現れます。根の中腹では「セジロクマノミ」が住んでいまが、クマノミと同居していますのでそのうち居なくなる可能性も・・・。近場で見れるのは本当にありがたいのでどうにか生き残っていただきたいですね。ソフトコーラルはあまりなくサンゴ礁が広がっていますが少し左右に移動するとサンゴ畑が現れます。しばしば北向きに弱い流れがあります。
なお水中マップに関して、セジロクマノミを載せるために離れ根と排水口の間はかなり簡略化してあります。
駐車場
海岸沿いに縦列駐車が可能。道は一方通行なので浄水場の入り口前を通ってこなければいけません。22:00~5:00はチェーンが上がり駐車が出来ません。
注意事項
- En、Exの階段は滑りやすいので注意が必要です。
- 盗難、置き引き、車上荒らしが起きる場所です。貴重品の管理には注意しましょう。
ルート案
- 広場で潜降。ここは明らかに人工的なので一目で分かると思います。コンクリートで整備され、煙突のような物もあります。また排水管の通っている部分が明らかに膨らんでおり、それをまっすぐ進めば「UFO」まで到達できます。ここでは先に給水口に行くルートで紹介します。
- コンクリートで整備された場所を抜けると次は岩がゴロゴロ転がっている岩ゴロロード(岩ゴロード)に出ます。10mほど進んで直角に北へ。陸を70度だとすると340度の方向へ進む。ただ、給水口自体が大きいので、コンパスが多少ずれていても岩ゴロードから出なければそのうち目視できると思います。
- 給水口で遊んだ後は排水口へ。横着してL字型に伸びる岩ゴロードを突っ切って行きます。来た道を戻るには正反対に進めばよいので160度の方向。そこから少しずらすので180度くらいで進みますか。岩ゴロードを出て途中砂地の上を通り、また岩ゴロードにぶつかったら岩ゴロードの上をまっすぐ沖へ。給水口もそれ自体が大きいのでそのうち目視できると思います。仮に給水口を通り過ぎていても水深を見れば通り過ぎているのが分かります。
- 給水口の周りは暖かい水が出ており生き物が豊富に居ます。特にここで見れるカマスの群れは大きな群れになります。人工物に続くこのポイントの見所だと思います。給水口の周りには「タイヘイヨウウミウシ」が大量に居ます。付いているトゲトサカに「イソコンペイトウガニ」がいたら教えてください。めちゃくちゃ見たいです!!
- あとは帰るだけ。岩ゴロードからそれないように最初に設定した角度で戻っていくだけですね。今回のルートはルート③④⑤で三角形を作るイメージ。④⑤が縦と横で③が斜辺です。もし給水口と排水口の角度判明しましたら教えていただきたいです。
見れる生き物
UFO(排水口)、神殿(給水口)、セジロクマノミ、カマスの群れ、アカククリ、ソウシハギ、、二タスジリュウキュウスズメダイ、アオウミガメ、クマノミ、アカホシカニダマシ、トゲトサカ、コクテンフグ、各種ウミウシなど
ウミガメ情報
私はここではウミガメは見たことありません。ただ、排水口を越えた辺りや、北にずらしたエリアでは目撃情報があります。
コメント
初めて砂辺UFOを見た時はすごくわくわくしたのを覚えています。周りを何周もして楽しみました。やっぱり水中の人工物って浪漫ですね。
砂辺の浄水場に「セジロクマノミ」がいることを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。私もこれを紹介するために無理をしてマップを書きました。ので水中マップは参考にすらならない部分もあるかもしれません😅
離れ根は干潮の方が圧倒的に行きやすいです。私もスキューバで始めて行ったのは意図せずのことでした。UFOから浄水場の大きな階段までドロップ沿いを泳ぐ計画だったのですが、いつの間にか迷い込んでいたようで、なかなか複雑な地形をしています。なので離れ根に行くときは慣れるまでは近くまで水面移動で行くのが確実です。さらに円状の地形はなかなか厄介なもので、しっかり目印をつけておかないと1周したことにすら気付けません。以下は私が以前泳いだルートです。参考までにどうぞ。
離れ根に一番近い場所から潜降して「セジロクマノミ」に会いに行きました。そのあと地形を見ながらグルっと根を周って行きます。この後はUFOの方に行く予定だったので、コンパスを見ながらおおよその位置を把握。直角に北上すると仮定すると、340度に進みますが、その方向に離れ根があればまだ反対側まで来れていないということですよね。直角に曲がると確実にUFOより沖に出ることは予測できたので、裏側辺りまで来たところでずらして30度くらいで進みました。この時目指したのはUFOではなく、岩ゴロードです。このぐらいで進んでいればいつか岩ゴロードにぶつかるだろうと。これがビンゴで、無事UFOに辿り付きましたとさ。
なおこの根の周辺は立派なサンゴがあったり、ブロックが落ちていたり、チェーンがあったりするので目印には困らないと思います。
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